有限会社 三九出版 - シニアの病歴自慢は長寿のもと


















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〔新作●現代ことわざ〕
             シニアの病歴自慢は長寿のもと


                           
                     手嶋英之(愛知県豊田市)

 シニアが集まれば「ヤァ,お元気でしたか」と,「マァ,ぼちぼち」と始まり,いつの間にか病気自慢?大会に。大した病気を経験したことがない自分にも経過観察を指摘されている項目が幾つかあるが,この程度ではとても話の輪には入れません。しかしながら,こんな機会を重ね,病気と治療と注意事項,予防法,名医探し,医療の進歩理解など,大いに勉強になります。
 昨年の暮れのこと,右目に異常発生。眼の中で糸くずが視線を向ける方にうるさくつきまといました。眼科では「飛蚊症(ひぶんしょう)」,加えて軽い白内障で“要経過観察”の診断。「飛蚊症」は一ヵ月ほどで消えました。白内障は通院による簡単な手術で済むとの診断。その眼科は名医との情報を得ており,安心して通院できました。また,膝や腰が痛むと言えば「あの医者がいいからすぐに行け,早い方がよい」と言われ,数日後の再会では「行ってきましたか?」とフォローまでいただきます。ありがたいことです。さらにまた,これまで知らなかった歯の治療は認知症その他多くの病と関連があるという情報も得,歯科定期検診を受けることを決め,歯科に定期検診通知書の発行(車の点検のように)をしていただけるようお願いし,昨年暮れから始めています。
 最近,「健康寿命」という言葉が使われ始め,「かかりつけ医」を持ちましょう,「生活習慣」を見直そうなどの呼びかけが盛んにあり,受け取り方によっては国の医療費抑制策などと絡み合って高齢者に冷たく感じないでもないですが,実は「生涯イキイキ」は全ての人の目指すところと思います。病歴の自慢話のリーダーがあちらこちらに誕生するのは如何なものかとは思いますが,大病はしないに超したことはないので,「病歴自慢大会」もいずれ良い結果を生むものと期待しています。それは「シニアの健康努力自慢会」に進化していく気配を感じるからです。私はそこでは,「基本は自分で歩く」ことができる,歩けるのだから→「家にこもらず外出」する→「外出すると刺激を受ける」→「刺激を受ければ生甲斐の発見」に繋がる。加えて「心肺能力の向上」も得られる→「生涯健康」で過ごすことができると発言することにしています。
 やむを得ず要介護になった場合はお世話になることでしょうが,「保険料を納めたから介護を受ける資格がある」などと言わない健康な高齢者を心がけたいと思います。




 
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