有限会社 三九出版 - ◉読者の声 ◉「政治科」に賛同,「教育科」に“歴史”の観点も


















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☆<BOOK REVIEW>「病める日本―診断とその治療法」

        ◉読者の声 ◉「政治科」に賛同,「教育科」に“歴史”の観点も

             竹村 雅史(群馬県高崎市)

本書には,政治・経済・教育・文化・医療・社会の6科における我が国の問題点を各科3項目ずつ指摘し,その解決方法が載っています。いずれの「科」にも現在の我が国には様々な問題があり,それに対し様々な知性,人生経験に基づいた解決策が語られており,大いに参考になりました。ここではまず,特に生活に密着した「政治」とその基になる選挙について述べられている「強権政治からの脱皮~」(佐藤静雄氏)と「二流政治家と無関心国民」(杉浦捷之氏)を一読しての感想と共感した事を,私見の形で述べてみます。
敗戦後に育った我々と異なり,今の恵まれた時代の人々,特に若い人達は政治への関心が薄いように思います。政治は判らない,面倒だと距離を置いているようですし,いま政治が決めていることは10年,20年先の事と思っているのかも知れません。しかしその時は案外早く来るのです。まずは杉浦氏が指摘しているように選挙に行くことが大事であることに強く気付いてほしいものです。
その身近な選挙制度は1994年から施行の小選挙区です。当選者は一選挙区一名で,候補者本人の政策や人物よりは党首の人気が優先されがちです。またこの制度では極端に言えば49%の死票が出ます。このような小選挙区制から生まれたのが,佐藤氏が述べているように,現在の一強政治です。この一強政治の中で,保守系の議員は党首の顔色を見,自分の意見を言わない議員になっています。ある種の独裁政治でしょう。
このように考えますと,今の政治の在り方を変えなければならない,それには有権者は選挙で投票すること,小選挙区制ではなく一選挙区から3~5名選べる中選挙区制に改めることが大事と考えます。杉浦,佐藤両氏の意見に賛同しています。
次に「教育科」を読んでですが,今の学校や教師が抱えている問題,教育関係大学の在り方等々が述べられており,勉強になりました。が,私が知る範囲では歴史教育が軽く扱われているのではと思われ,気になっています。特に1800年頃から平成20年ぐらいまでの我が国を中心とした近・現代史の教育に力を入れるべきと考えております。我が国と関係の深いアジア(特に東南アジア),ヨーロッパ,アメリカ等との関わりをより詳しく教え,これらの国々に自分の国を説明できる知恵の備えを持てるようにしたいと思っていますので,このことの“診断と治療法”も読みたいと思いました。 
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