有限会社 三九出版 - 迷走の前に,瞑想


















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☆〔新作●現代ことわざ〕 
             迷走の前に,瞑想 

              山口 恵(大阪府大阪市) 

 『神様は小学5年生』という本に出合った。生まれた時から,人間を守ってくれているたくさんの神様や天使さん達とお話ができる,マルゲリータが大好きな女の子,すみれちゃん。書かれてある内容を,胡散臭く信じがたいと感じる方も大勢いらっしゃるでしょうが,このようなスピリチュアル系書物を読む時,これが真実ならうれしいなぁ……と思える部分だけを笑みを浮かべながら拾い読みしている。そのすみれちゃん曰く,「いい事をすれば、いい神様が応援してくれる」。そして助けてくれた神様や天使さん達に心からお礼を言うと,また応援して貰えるのだそうだ。いい事とは,例えば“誰かの話を聞いてあげる”とか,日常の中でできる些細な事でもいいらしい。“一日一善を心がけると自分が気持ちいいよ”と,親から教えられたものだが,“誰かが見ていてくれて褒めてくれたらもっと頑張れるかも……”と幼心にも思ったものだ。「自然界の妖精達が、善い行いを察知し善行カードにポイントを付けてくれているとしたら……。ある程度貯まったら、天使預金として預かってくれて、ここ一番、奉仕の為に必要な時に使えるとしたら……」。読みながら想像の世界が膨らんで行く。そしてふと,昨年夏の“ぼく、ここ”を思い出した。山口県の山中で3日間も行方不明になっていた2歳の男の子が発見されたニュース。あの時の功労者,スーパーボランティアの尾畠春夫さんは,「社会への恩返し」として年金5万円を資金にボランティア活動に打ち込まれてるという。「人から受けた御恩は何回も感謝を伝え、何倍もお返ししたいが、自分が他者に与えた事はスッと忘れて良いのです」と。感謝する人は,感謝され,愛に満ちた循環の中で,笑顔で過ごせるのだろう。
 私の実家は京都の桂なのだが,駅前のカフェで,耳寄りな情報をゲットした。「最近寝つきが良くなってきてん。本で読んだんやけど、寝る前に、今日一日の出来事に“ありがとう”を言いながら寝たらええって……」。 早速私も試してみた。“青空が気持ちよかった”“駅員さんが親切だった” どんなに些細な事でも,ありがとうと共に思い浮かべていると,不思議なくらいにストンと眠りに落ちる。そう,桂といえば,今話題の嵐のメンバー,松本潤君が番組で訪れ,桂高校園芸部の新鮮な野菜を,阪急駅前界隈で売り歩いたことがある。この野菜にも,度々心を洗われている。 
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