有限会社 三九出版 - 間もなく80歳


















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《自由広場》  
          間もなく80歳  

             笹氣 光祚(宮城県仙台市) 

 先日,成人式を終えたばかりの孫娘に,「オジイチャン,いくつになったの?」と訊かれた。何となく即答で「今年78歳」と答えたが,その後の会話がどう進展したかは,記憶に定かではない。
 ちょっと待て! 間もなく80歳ではないか。自分が4,50歳の頃,80歳の人は誰だっけ? と自然に考えてしまった。皆さん,鬼籍に入られてしまったが,自分のイメージで,「あの先輩と同じ年?」と考えたが,とても信じられない。決して自分が若いと思ってはいないが,かの先輩の立ち居振る舞いを思い出すと,自分の現在の元気さが,その年齢になったということが信じられない。オレも年寄りになったのか?

 考えてみると,最近,体に異常はなく2か月に1回の健康診断も「異常なし」。とみに「暇」である。毎朝6時に目が覚めて,髭剃り,洗顔の後,新聞をチェック。毎日同じような「バカ騒ぎ」をしているようなテレビのニュース番組を見ながらコーヒーを一杯。今日の「用事は?」と考えると「何もない」。早い話が「毎日が日曜日」なのだ。たまに用事の予定があると,うれしくてその時刻が待ち遠しくなる。ましてやゴルフとなれば,子供の時の遠足前夜の気分になる。しかし残念ながら,大好きなゴルフも,最近一緒にプレーする友人が減ってきた。同年代は,確実に「ジイサン」になっている。ゴルフの相手は,10歳以上年下の連中だ。彼らには「バケモノ」と言われるが,そんなに年寄りらしさがないのか,と自省してみるが,確かに同年代の人々より体力はありそうだ。けれども確実に力が無くなって,ボールの飛距離が落ちていることは感じている。その分,近い距離の処理をうまく扱うことでゴマカシテいるのが現状だ。先日のラウンド中に,「最近ボールが無くならない!」との話が出た。何のことはないOBゾーンまでボールが飛ばなくなった,のだ。という結論になって,皆で納得した。

 いつ頃からこのようになってきたか?全く記憶にない。ここ2,3年,新聞の死亡広告を見ると,自分より若い人の訃報が増えているような気がする。やはり,自分も仲間入りしている年齢になっている,と確信する。女房ドノと二人で,毎日同じことの繰返し。ヒマになると,コンピューターゲーム。それに飽きると,「読書」となるが,1時間と持たずに居眠りが始まる。何をやるにも「根気」がない。昔あこがれたカルチャースクールの案内を手にするが,「どうせ続かない」と申し込む前に諦めてしまっている。

 20年以上前に「中川氣光」との出会いがあり,「霊・魂」の世界を教えてもらった。生まれるときに「霊の世界の仲間」に「これから人間修行に行って霊格を上げるつもりです。ついては,いつ頃,こんな試練を与えて下さい」と周囲の「霊」にお願いして肉体に取り付くそうな。人生の様々な試練は,自分が依頼してきたことなのだ。それらを乗り越えて「霊の修行」を終え,一段上の「霊・魂」になるとのこと。最上級は「悟りを開いた上人」だ。輪廻転生とはそういうことだ,と実例も多数見せてもらった。
さて我が身に戻って「最近ヒマ」は前述した。カミサマは私をまだ生かしている。ということは,私がまだ「この世ですることがあるからだ」と思われる。それが何だかは,誰も教えてくれない。カミサマが知っている。私は何をしなければならないのか?生きているということは,今日も生かされているということは,何かの役割があるに違いない。そうでなければ,この世に生かされている意味がない。いずれお迎えが来るのはわかっているのだが,それまでの役目を全うしたい。父の会社を継承し,一段落したころに全く新しい業界に進出した「会社」も30年目を迎え,息子が順調に成績を伸ばしている。40年を超して所属しているロータリークラブも,10年ほど前に2800人の頂点の役目(地区ガバナー)を終えた。もちろん,クラブの主要な役目はすべて経験した。

 今日もヒマだ。することがない!! 生かされている。次の「役目」は何だ?
 それを期待して,新しい役目を探し続けている毎日である。 
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