本物語
第29号 2010.4.28
『都内の交通機関での出会いに』
酒井 信明
日々利用するJRや私鉄の主なターミナル駅で眼にする光景を別の視点で見ると,百貨店の営業不振の広がりを耳にするのとは裏腹に,駅構内が巨大なショッピングモールに建て変わり,乗降客を逃がさず展開する店舗に寄り易くするための流れを巧く拵えていることだ。マーケッテングでいう顧客の囲い込み!
以前は,都内の交通機関には乗ることで用事が済ませる想いが働いて,車窓に見える景色には意外に無頓着だった。今は仕事で都内の交通機関を乗り継ぐ機会が多く,私が乗る乗り物の種類も,路線も増えて車窓の景色の違いに寛ぎを覚える。路線バスでは,車窓からの目線が低いこともあり道路に面して連なる建物や公園等で止まってしまい,道路は覚えるが景色は余り記憶に残らない。一方,鉄道(地下鉄は除いて)では,道路・建物等と分離された鉄道会社所有地域を走るため,注目の景観や記憶に残る景色に出くわす。今話題の景観の一つに「東京スカイツリー」の建設現場がある。
京成電鉄の西新井駅から曳舟駅で乗り換え押上駅に向かうと,電車の右手車窓に建設途中の「東京スカイツリー」が徐々に高さを蒿上げした威容を現す。東武伊勢崎線,京成押上線,地下鉄半蔵門線,都営地下鉄線の押上駅に囲まれた地域に建設中の「東京スカイツリー」がある。地下鉄半蔵門線押上駅から浅草通りに出ると,浅草橋通りに覆い被さるかのような,見上げる仕草が要る威容だ。現在も稼働中の「東京タワー」の周りは緑の領域や空間域が程よくあるのに比べ,「東京スカイツリー」の建設現場は平坦地で周辺の街並みに近接しているのか,「ツリー」の呼称が本当に合う設計だ。「東京スカイツリー」の完成は2011年12月の予定。完成時,最上部の高さは610m,第2展望台は450m,第1展望台は350m。因みに,横浜ランドマークタワースカイガーデンは273m,東京タワー特別展望台は250m。「建設中の東京スカイツリーの現在(2010年3月初,本稿の執筆時)の頂上部に設置された3台のクレーンが304m下の地上から建設資材を吊り上げている。これから高さを蒿上げしても3台のクレーンは自動的に上昇し,建設資材を吊り上げる」と近くの住民に聞いた。
また,線路によっては都会で見られなくなった景色を車窓に見せてくれる。京成電鉄の金町駅から立石駅に至る区間,京急電鉄の梅屋敷駅から雑色駅に至る区間,東武亀戸線の曳舟駅から亀戸駅に至る区間では,線路に沿った住宅・街並みに何処かで出会った昭和の佇まいの光景を感じさせてくれる。都会の限られた面積では,地下と共に地上の活用が広がっている。国道等での「開かず踏切」の改善,効率的輸送等から鉄道の高架化工事の展開。地上を離れた駅前広場の広がり,等々。
普段の生活活動に焦点を当て,視点を掘り下げて振り返ってみると意外に小さな発見があった。こんな見方もこれからの時間で得られる夢の一つかなとも感じた。
以前は,都内の交通機関には乗ることで用事が済ませる想いが働いて,車窓に見える景色には意外に無頓着だった。今は仕事で都内の交通機関を乗り継ぐ機会が多く,私が乗る乗り物の種類も,路線も増えて車窓の景色の違いに寛ぎを覚える。路線バスでは,車窓からの目線が低いこともあり道路に面して連なる建物や公園等で止まってしまい,道路は覚えるが景色は余り記憶に残らない。一方,鉄道(地下鉄は除いて)では,道路・建物等と分離された鉄道会社所有地域を走るため,注目の景観や記憶に残る景色に出くわす。今話題の景観の一つに「東京スカイツリー」の建設現場がある。
京成電鉄の西新井駅から曳舟駅で乗り換え押上駅に向かうと,電車の右手車窓に建設途中の「東京スカイツリー」が徐々に高さを蒿上げした威容を現す。東武伊勢崎線,京成押上線,地下鉄半蔵門線,都営地下鉄線の押上駅に囲まれた地域に建設中の「東京スカイツリー」がある。地下鉄半蔵門線押上駅から浅草通りに出ると,浅草橋通りに覆い被さるかのような,見上げる仕草が要る威容だ。現在も稼働中の「東京タワー」の周りは緑の領域や空間域が程よくあるのに比べ,「東京スカイツリー」の建設現場は平坦地で周辺の街並みに近接しているのか,「ツリー」の呼称が本当に合う設計だ。「東京スカイツリー」の完成は2011年12月の予定。完成時,最上部の高さは610m,第2展望台は450m,第1展望台は350m。因みに,横浜ランドマークタワースカイガーデンは273m,東京タワー特別展望台は250m。「建設中の東京スカイツリーの現在(2010年3月初,本稿の執筆時)の頂上部に設置された3台のクレーンが304m下の地上から建設資材を吊り上げている。これから高さを蒿上げしても3台のクレーンは自動的に上昇し,建設資材を吊り上げる」と近くの住民に聞いた。
また,線路によっては都会で見られなくなった景色を車窓に見せてくれる。京成電鉄の金町駅から立石駅に至る区間,京急電鉄の梅屋敷駅から雑色駅に至る区間,東武亀戸線の曳舟駅から亀戸駅に至る区間では,線路に沿った住宅・街並みに何処かで出会った昭和の佇まいの光景を感じさせてくれる。都会の限られた面積では,地下と共に地上の活用が広がっている。国道等での「開かず踏切」の改善,効率的輸送等から鉄道の高架化工事の展開。地上を離れた駅前広場の広がり,等々。
普段の生活活動に焦点を当て,視点を掘り下げて振り返ってみると意外に小さな発見があった。こんな見方もこれからの時間で得られる夢の一つかなとも感じた。