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本物語

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第45号 2014.5.25

東北発 ☆ 未来塾

北島比呂志

                            

 これらの資金は国内企業,個人や欧州ビジネス協会などの在日海外会社からの募金によるものです。また,震災直後には私たちの支援先であるタイ,カンボジア,インドネシアから,いつも支援をしてもらっているのでと手編みの衣類が届けられました。全国の篤志家からは当NPO・PHJの活動に賛同を頂き,多賀城透析センターへ医療器具の提供や石巻仮設診療所への「ドクターカー」(ミニバンを改良して医療機器を搭載)の寄贈をしてきました。
 3年前の3.11の悲惨な経験は決して拭い切れるものではありませんが,復旧・復興の歩みの中から新たな試みも始まっています。NHK・ETVで放映されている『東北発☆未来塾』には多くの有志の活動が紹介されていますが,その一つで,当NPO・PHJが強く関心を持ったのが医師の長純一さんの活動です。
 これが長先生と私どもPHJとのつながりの経緯ですが,長先生は被災地での医療活動と同時にもう一つの目的を持っておられます。それは「地域医療の確立」ということです。「地域医療」とは一口で言うと,「地域のニーズに応えること」そして「チームで守る医療」つまり介護ヘルパー・看護師・理療士などと連携して(特に開成診療所の場合は)仮設住宅の高齢者を支えることを目指しています。また一方で治療に専念する大病院との連携も大事です。“話を聞く”など個々の患者のニーズに応える診療所との役割分担です。長先生は言います,「高齢化が進んだとき,医療だけでは解決できないから,必然的に多くの人たちと一緒にやろうとなるはず。それに気づいた医者は『最先端』です」と。また,「これからは“治す医療”だけでなく,“支える”“寄り添う”“最期を看取る”“生きがいを支援する”という領域が大きくなってくる」とも。そしてそのためには「チーム」が必要であり,そのチームを更に強くするために,医療や介護などの専門家だけでなく,地域に住む人々が参加する新しい「支援システム」を作ろうとしています。医師の長さんは自治会の役員を務め,住民たちと協力して健康を守る,新しい「支援システム」を作るため,その支援の輪を拡大し,住民どうしが助け合うシステムを築こうとしているのです。。
 東日本大震災による災害からの復旧・復興は必ずしも順調に進んでいるとはいえませんが,草の根運動「東北発☆未来塾」の一つの取り組みは将来高齢化社会を迎える「日本地域医療のモデル」になるものと確信します。「ドクターカー」が走り続けるように,私たちNPO・PHJも微力ながらお手伝いを継続して行きます。




 
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