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本物語

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第71号 2021.11.20

食い物カルタ(読み札)

伊藤 卓雄

いつのころからか,カルタづくりに興味を持つようになった。カルタといっても,百人一首ではなくて,「犬棒かるた」の読み札に倣ったレベルのもの。
現役のころには,忙しい時ほど名案(?)が浮かび,かなりの読み札ができたが,リタイヤ―後は,時間的余裕がある割には,アイディアが浮かばない。徒然なるある時のこと,ふとしたことから思いついたのが,本作である。行動制限多いコロナの時代,紙上散歩の気分にでもなればと思い,ご披露することとした。
各句の解説は抜きにして,解釈は,読者の想像に任せるが,句末の,カッコ書きで示した連想語を手掛かりに味わいが深まれば幸いである。
い:いろいろと食い意地募(つの)る喜寿の秋(食い辛坊)
ろ:碌でない仕事守って碌を食む(三流マン)
は:花よりも「焼き団子」一串四個付き(所沢名物)
に:肉よりも野菜を先にと栄養士(お節介)
ほ:北海道馬鈴薯唐黍鮭南瓜(道産子)
へ:減らず口叩くのが好きアジの好き(アジのたたき)
と:十団子も小粒になりぬ秋の風(森川許六)
ち:ちらし寿司できると友は腕を撫す(旧友牧野君)
り:りんご食い病気知らずの長寿村(長野県だったか)
ぬ:ぬるぬるが身体に良いととろろ蕎麦(おくら)
る:るる説教通じぬはずだよ腹減った(馬耳東風)
を:親子丼親はにわとり子はタマゴ(タラコ丼は?)
わ:椀子そば何個食っても椀子そば(一個でも饅頭)
か:柿見れば腹が鳴るなり空腹時(奈良の秋)
よ:欲張りやあれこれ食いたい秋の宵(食欲)
た:鯛が良い何といっても鳴門ダイ(渦潮)
れ:レンコンを食っても景気良くならず(見通し悪し)
そ:そば米は雑炊で食う祖谷名物(平家)
つ:つよい腰うどん自慢のうどん県(讃岐うどん)
ね:葱しょって鴨は来るかも、ほんとかな(チャンコ)
な:茄子はまず俺が食うぞと嫁にいう(秋ナス)
ら:ラーメンの美味い、不味いは汁(つゆ)次第(グルメ)
む:蒸し饅頭番茶があれば文句なし(峠の茶屋の娘十八)
う:旨い物食って一時(いっとき)の憂さ晴らし(太るはず)
ゐ:いくら丼たらふく食って幾らだい?(鱈腹)
の:飲むだけじゃ身体に悪いと食べて寝る(勝手にせい)
お:お酒飲むなご意見なれども酒が好き(どないしょう?)
く:食い物の俳句の詠み手は料理好き(チラシが得意)
や:焼き芋のほかほか恋しき夜寒かな(老いも若きも)
ま:まずいもの食って長生き何したい?(美食)
け:今朝何を食ったか忘れりゃ幸せよ(認知症)
ふ:ふぐ食いてぇ命も惜しいじゃ欲張りさ(口福)
こ:鯉こくを思い出す旅宿の膳(昔話よ)
え:エビ天は塩で食うとよ通ぶって(暖簾)
て:天婦羅につゆを付けない手抜き店(食い物の恨み)
あ:あれこれとレシピ切り抜く食いしん坊(レシピ趣味)
さ:サビ抜きと格好つけて寿司を食う(嫌味)
き:金目鯛キンキも並べばご満悦(欣喜雀躍)
ゆ:柚子よりもスダチが美味い阿波の味(刺身)
め:飯(めし)だ飯だ魚沼産だよ召し上がれ(握り飯)
み:見た?、聞いた?俺は食ったぞ初鰹(ホトトギス)
し:しらたきが無くては何のスキ焼ぞ(旬)
ゑ:塩分を控えて一体何したい(延命)
ひ:干物にも美味いものあり名産品(産地直送)
も:もちろんさ美味い「やきもち」焼きゃまずい(京都土産)
せ:煎餅かぁ瓦煎餅懐かしや(讃岐土産)
す:勧めるぞ名残りの酒だもう一杯(于武陵「勧酒」)
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