本物語
第72号 2022330
西 部 劇
伊藤 研二
私が小学生の頃,学校から帰る途中,友達の家の前を通りかかるとその友達が腰だめに構えて右手で握り拳を作って人差し指を突き出し,リチャード・ウイドマーク,バン バン。ジャック・バランス,バン バン ……と一人で遊んでいた。
その頃,我が家の近くに洋画館はなく,西部劇を見たことはなかった。映画館はあっても主に時代劇を映していた。お煎にキャラメル,落花生,のしいか等,おじさんが売りに来た時代。その友達から西部劇を教わった。
○ 西部劇思いつくままに
巨岩の聳え立つモニュメントバレーの荒野を幌馬車が走る。バッファローの群れが疾走する。幌馬車をインディアンが襲う。国旗を掲げラッパを吹いて騎兵隊が現れる。インディアンはアパッチ族のジェロニモ酋長。カウボーイが牛の大軍を追って荒野を旅する。野営と焚火のシーン。夜中に物音に驚いた牛が暴走する。途中,町に寄る。ダッジシティには保安官ワイアット・アープがいた。早打ちの無法者がアープを倒そうとやって来る。町には銀行があり,保安官事務所,教会,酒場がある。酒場には酒場女がいて片隅で男たちがポーカーをしている。ショットグラスでウイスキーを煽り酔っぱらうと喧嘩になり,拳銃の打ち合いが始まる。お尋ね者の貼り紙がしてある。ガンマンがやって来る。酒場女に好かれるが相手にしない。心寄せる美しい女性が現われるが何も言えない。牧場を持って落ち着いた暮らしがしたいと思っているのだが事情が許さない。無法者を倒して去って行く。
○ 好きな西部劇
〈ゴーストタウンの決闘〉 リチャード・ウイドマーク 44歳の作品。もう一人の主役ロバート・テーラーが保安官ジェイク・ウエイドを演じる。ウイドマークは強盗団の首領クリント。二人は昔悪党仲間であり,ジェイクはクリントに命を助けられたことがあった。その恩返しに牢獄に繋がれたクリントの脱走を手伝ってやる。クリントは助けられたにも拘らず嫌がらせをしてジェイクに付きまとう。決闘。場所はデス・ヴァレイのゴーストタウン。誰もいない廃墟の町で非道の悪党クリントは撃たれて死ぬ。映画のパンフレットに淀川長治氏のスタージェス監督への賞賛のコメントがあった。映画解説の終わりに独特の口調でさよなら,さよなら,さよならを何回言うかで人気。
〈シェーン〉 ジェーン・アラッド 40歳。50歳にして亡くなる。ワイオミングの山並みが美しい。去って行くシェーンに「カムバック シェーン」と叫ぶジョーイ。遥かなる山の呼び声のメロディーが流れる。少年にはシェーンが何故行ってしまうのか解らない。戻って来ないと解ると「グッバイ シェーン」に変わる。殺し屋イルソンのジャック・バランス 34歳。善良な農夫を挑発して撃ち殺す。残忍。黒い帽子を被り,黒いチョッキを身に着けた冷酷な奴。酒場でシェーンと対決して撃たれる。倒れるイルソンの頭にウイスキーの樽が崩れ落ちる。
〈黄色いリボン〉 ジョン・フォード監督。ジョン・ウェイン 42歳。退役を間近にしたネイサン大尉の役。軍服姿のオリバーが凛々しい。髪につけた黄色いリボンで武運を祈っている。ネイサンが妻と息子の墓参りをしていると,オリバーがシクラメンを持ってやって来る。~当時, 私はシクラメンを知らなかったが今は冬の一番人気の花。~やがて任務を終えて砦を去るネイサンに知らせが来る。砦に残れと。
〈リオ・ブラボー〉 1959年の作品。ジョン・ウェイン 38歳。ディーン・マーチン,ウォルター・ブレナン,リッキー・ネルソン,アンジー・デイキンソンの共演。バックに「皆殺しの歌」が流れ,マーチンとネルソンが「ライフルと愛馬」を歌う。ブレナンがハーモニカを吹く。「ライフルと愛馬」は日本でも流行った。
〈荒野の七人〉 1960年の作品。チャールス・ブロンソンと親しくなった3人の子供が「死んだら仇を討って墓に花を供えてあげる」。可愛い。スティーブ・マックイン,ユル・ブリンナー,ジェイムス・コパーンも出ていた。〈真昼の決闘〉のゲリー・クーパー,〈荒野の決闘〉のヘンリー・フォンダ,〈ガンヒルの決闘〉のカーク・ダグラス,左利きの拳銃のポール・ニュウマンもいい。テレビ映画ではスティーブ・マックインの〈拳銃無宿〉,〈ララミー牧場〉等。こんな映画もあった,〈レッドサン〉。ブロンソン,アラン・ドロン,三船敏郎が共演する。三船は羽織袴にちょん髷の侍姿で大陸横断列車に乗る。 終わりに立体映画の〈フェイザー河の襲撃〉。インデアンとの戦いで矢,槍がスクリーンから飛び出して来る。トマホークが飛んで来た時は思わず座席の後ろに隠れた。西部劇は面白い。お終い。
その頃,我が家の近くに洋画館はなく,西部劇を見たことはなかった。映画館はあっても主に時代劇を映していた。お煎にキャラメル,落花生,のしいか等,おじさんが売りに来た時代。その友達から西部劇を教わった。
○ 西部劇思いつくままに
巨岩の聳え立つモニュメントバレーの荒野を幌馬車が走る。バッファローの群れが疾走する。幌馬車をインディアンが襲う。国旗を掲げラッパを吹いて騎兵隊が現れる。インディアンはアパッチ族のジェロニモ酋長。カウボーイが牛の大軍を追って荒野を旅する。野営と焚火のシーン。夜中に物音に驚いた牛が暴走する。途中,町に寄る。ダッジシティには保安官ワイアット・アープがいた。早打ちの無法者がアープを倒そうとやって来る。町には銀行があり,保安官事務所,教会,酒場がある。酒場には酒場女がいて片隅で男たちがポーカーをしている。ショットグラスでウイスキーを煽り酔っぱらうと喧嘩になり,拳銃の打ち合いが始まる。お尋ね者の貼り紙がしてある。ガンマンがやって来る。酒場女に好かれるが相手にしない。心寄せる美しい女性が現われるが何も言えない。牧場を持って落ち着いた暮らしがしたいと思っているのだが事情が許さない。無法者を倒して去って行く。
○ 好きな西部劇
〈ゴーストタウンの決闘〉 リチャード・ウイドマーク 44歳の作品。もう一人の主役ロバート・テーラーが保安官ジェイク・ウエイドを演じる。ウイドマークは強盗団の首領クリント。二人は昔悪党仲間であり,ジェイクはクリントに命を助けられたことがあった。その恩返しに牢獄に繋がれたクリントの脱走を手伝ってやる。クリントは助けられたにも拘らず嫌がらせをしてジェイクに付きまとう。決闘。場所はデス・ヴァレイのゴーストタウン。誰もいない廃墟の町で非道の悪党クリントは撃たれて死ぬ。映画のパンフレットに淀川長治氏のスタージェス監督への賞賛のコメントがあった。映画解説の終わりに独特の口調でさよなら,さよなら,さよならを何回言うかで人気。
〈シェーン〉 ジェーン・アラッド 40歳。50歳にして亡くなる。ワイオミングの山並みが美しい。去って行くシェーンに「カムバック シェーン」と叫ぶジョーイ。遥かなる山の呼び声のメロディーが流れる。少年にはシェーンが何故行ってしまうのか解らない。戻って来ないと解ると「グッバイ シェーン」に変わる。殺し屋イルソンのジャック・バランス 34歳。善良な農夫を挑発して撃ち殺す。残忍。黒い帽子を被り,黒いチョッキを身に着けた冷酷な奴。酒場でシェーンと対決して撃たれる。倒れるイルソンの頭にウイスキーの樽が崩れ落ちる。
〈黄色いリボン〉 ジョン・フォード監督。ジョン・ウェイン 42歳。退役を間近にしたネイサン大尉の役。軍服姿のオリバーが凛々しい。髪につけた黄色いリボンで武運を祈っている。ネイサンが妻と息子の墓参りをしていると,オリバーがシクラメンを持ってやって来る。~当時, 私はシクラメンを知らなかったが今は冬の一番人気の花。~やがて任務を終えて砦を去るネイサンに知らせが来る。砦に残れと。
〈リオ・ブラボー〉 1959年の作品。ジョン・ウェイン 38歳。ディーン・マーチン,ウォルター・ブレナン,リッキー・ネルソン,アンジー・デイキンソンの共演。バックに「皆殺しの歌」が流れ,マーチンとネルソンが「ライフルと愛馬」を歌う。ブレナンがハーモニカを吹く。「ライフルと愛馬」は日本でも流行った。
〈荒野の七人〉 1960年の作品。チャールス・ブロンソンと親しくなった3人の子供が「死んだら仇を討って墓に花を供えてあげる」。可愛い。スティーブ・マックイン,ユル・ブリンナー,ジェイムス・コパーンも出ていた。〈真昼の決闘〉のゲリー・クーパー,〈荒野の決闘〉のヘンリー・フォンダ,〈ガンヒルの決闘〉のカーク・ダグラス,左利きの拳銃のポール・ニュウマンもいい。テレビ映画ではスティーブ・マックインの〈拳銃無宿〉,〈ララミー牧場〉等。こんな映画もあった,〈レッドサン〉。ブロンソン,アラン・ドロン,三船敏郎が共演する。三船は羽織袴にちょん髷の侍姿で大陸横断列車に乗る。 終わりに立体映画の〈フェイザー河の襲撃〉。インデアンとの戦いで矢,槍がスクリーンから飛び出して来る。トマホークが飛んで来た時は思わず座席の後ろに隠れた。西部劇は面白い。お終い。