本物語
第77号 2023.12.25
傘寿の思い出 四国遍路に挑戦(その2)
藤澤 康裕
2.準備
2020年4月頃から準備の作業を開始した。遍路の先輩Yさんから教えて頂いた一般社団法人へんろみち保存協力会発行の「四国遍路ひとり歩き同行二人」の地図偏と解説編を購入し,調査,検討を始めると共に不明点はYさんとのメール交換で明らかにできた。
先ずは遍路における基本事項を決めた。基本的に全行程遍路だけに集中することとし,途中人気の名所や旧跡、建造物などに寄り道はしない。昼食は30分以内,期間中のアルコールは断つ,休養日は無し。という普段の自分自身では考えられないような厳しい規律を考えた。
次はコースの把握と宿泊場所の設定である。このためには大まかな一日の歩行距離の目安を立てる必要がある。その頃は毎日10km程度のウォーキングしていたこともあり,筋肉や足指の裏はかなり固くなっていたので一日当たり40km位は歩けるのではないかと考えていた。教本では平地歩行で25~30kmで10時間以内/1日とあるが平地だけではなく上り下りも考慮する必要がある。これらの条件と自分の実力を加味して考えることした。前提として一か月以上毎日歩くことということを考え体力の消耗も考慮する必要があり,一日の距離をどの程度にしたら良いのか分からないので試験的に50kmのウォーキングをやってみた。速度は4.5km/hであったが40kmまでは普通に歩けたが,それ以降は足の裏や筋肉が痛くなり速度も2~3km/h程度に落ちてしまい,更に足豆が指の裏に複数できていた。これを毎日続けることは不可能だ。次に一日35kmを一週間毎日ウォーキングしてみた。時速は5km/hで殆ど休憩は取らずに歩いた。結果は体の痛みはなし,疲労の蓄積や筋肉の痛みも感じることもなく足豆もできなかった。一週間のテストで全てを占うことはできないが,体も順応することができているし何とかなるのではないかとの結論を出し一日の歩行距離は35km程度と決めた。一日の時間割は遍路:6~7時間,昼食:0.5時間、休憩4回:1時間、参拝:0.5時間×寺の数,合計10時間程度に設定した。朝は6時に出発して15~16時頃に次の宿泊場所に到着する計画を立てた。これをベースにして白紙に10km/1cm毎の目盛りを引いて宿泊場所を決めていった。高低差は教本の縦断図を眺めながら宿泊所を設定したがコースも複数あり,何度も書き直しをして漸く計画を立てた。1番から88番~1番で38泊という計画になった。最初はもっと短い日数であったがYさんのアドバイスで最適と思われる計画と思った。
次は足豆対策である。Yさんの体験に基づいたポイントは靴と足指周りのケアである。靴は通常サイズに縦横+1cmで防水仕様が良いと教えて貰った。早速専門店で訳を話し選定を行った。店長が測定して持って来てくれたのは25.5cmで横幅は4Eであった。普段サイズは26.5cmでEEなので小さくて幅広なものを勧められて経験者から教わったものより大分小さめであったので,大きいものにしたいと言ったが店長は絶対に大丈夫だと自信たっぷりに勧めた。押し問答の末,店長さんの言うことを聞いて本番でダメであっても現地で買い替えれば良いのではないかと考え,お勧めのサイズNewbalanceのファスナー付きで防水型ではなかったので不安であったが何とかなるかなと考え決めた。
次が足まめ対策だ。先ず足まめを作らない予防ケアである。資料を読んだが,決定的な予防策は見当たらない。資料の中から良さそうな策を選んで準備することとした。ワセリン,脱脂綿,キネシオテープと指セパレータを準備した。毎朝全ての足指と足根小球(指の付け根から土踏まずの前まで)にワセリンを塗り足指に脱脂綿を巻き付け足根小球にも脱脂綿でカバーしこの上からキネシオテープを巻いてその上から指セパレーターを装着した。これで万全と思ったが本番3日目,宿到着時に小さな足まめができていた。これは宿のご主人が丁寧に治療法を教えてくれて数日で治った。この予防対策で10日間程度続けて以降は指セパレーターのみを装着するだけで他の手当は全て止めて遍路を続けたが足まめは一切できることはなかった。雨対策はYさんのアドバイス通りポンチョで対応することとした。後の準備品は教本に出ているものの中から最低必要になりそうな物を厳選した。ザックの重量は頭陀袋に入れるものも含
て最大10kg以下とすることに努めた。着衣はポロシャツ,半ズボン,パンツ,靴下を2枚ずつのみとし毎日交互に着用した。遍路品グッズは全て1番寺の霊山寺で揃え万全を期した。現金は10万円程度を持ち歩き不足しそうになると送金して貰うことで問題はなかった。(次号に続く。)
2020年4月頃から準備の作業を開始した。遍路の先輩Yさんから教えて頂いた一般社団法人へんろみち保存協力会発行の「四国遍路ひとり歩き同行二人」の地図偏と解説編を購入し,調査,検討を始めると共に不明点はYさんとのメール交換で明らかにできた。
先ずは遍路における基本事項を決めた。基本的に全行程遍路だけに集中することとし,途中人気の名所や旧跡、建造物などに寄り道はしない。昼食は30分以内,期間中のアルコールは断つ,休養日は無し。という普段の自分自身では考えられないような厳しい規律を考えた。
次はコースの把握と宿泊場所の設定である。このためには大まかな一日の歩行距離の目安を立てる必要がある。その頃は毎日10km程度のウォーキングしていたこともあり,筋肉や足指の裏はかなり固くなっていたので一日当たり40km位は歩けるのではないかと考えていた。教本では平地歩行で25~30kmで10時間以内/1日とあるが平地だけではなく上り下りも考慮する必要がある。これらの条件と自分の実力を加味して考えることした。前提として一か月以上毎日歩くことということを考え体力の消耗も考慮する必要があり,一日の距離をどの程度にしたら良いのか分からないので試験的に50kmのウォーキングをやってみた。速度は4.5km/hであったが40kmまでは普通に歩けたが,それ以降は足の裏や筋肉が痛くなり速度も2~3km/h程度に落ちてしまい,更に足豆が指の裏に複数できていた。これを毎日続けることは不可能だ。次に一日35kmを一週間毎日ウォーキングしてみた。時速は5km/hで殆ど休憩は取らずに歩いた。結果は体の痛みはなし,疲労の蓄積や筋肉の痛みも感じることもなく足豆もできなかった。一週間のテストで全てを占うことはできないが,体も順応することができているし何とかなるのではないかとの結論を出し一日の歩行距離は35km程度と決めた。一日の時間割は遍路:6~7時間,昼食:0.5時間、休憩4回:1時間、参拝:0.5時間×寺の数,合計10時間程度に設定した。朝は6時に出発して15~16時頃に次の宿泊場所に到着する計画を立てた。これをベースにして白紙に10km/1cm毎の目盛りを引いて宿泊場所を決めていった。高低差は教本の縦断図を眺めながら宿泊所を設定したがコースも複数あり,何度も書き直しをして漸く計画を立てた。1番から88番~1番で38泊という計画になった。最初はもっと短い日数であったがYさんのアドバイスで最適と思われる計画と思った。
次は足豆対策である。Yさんの体験に基づいたポイントは靴と足指周りのケアである。靴は通常サイズに縦横+1cmで防水仕様が良いと教えて貰った。早速専門店で訳を話し選定を行った。店長が測定して持って来てくれたのは25.5cmで横幅は4Eであった。普段サイズは26.5cmでEEなので小さくて幅広なものを勧められて経験者から教わったものより大分小さめであったので,大きいものにしたいと言ったが店長は絶対に大丈夫だと自信たっぷりに勧めた。押し問答の末,店長さんの言うことを聞いて本番でダメであっても現地で買い替えれば良いのではないかと考え,お勧めのサイズNewbalanceのファスナー付きで防水型ではなかったので不安であったが何とかなるかなと考え決めた。
次が足まめ対策だ。先ず足まめを作らない予防ケアである。資料を読んだが,決定的な予防策は見当たらない。資料の中から良さそうな策を選んで準備することとした。ワセリン,脱脂綿,キネシオテープと指セパレータを準備した。毎朝全ての足指と足根小球(指の付け根から土踏まずの前まで)にワセリンを塗り足指に脱脂綿を巻き付け足根小球にも脱脂綿でカバーしこの上からキネシオテープを巻いてその上から指セパレーターを装着した。これで万全と思ったが本番3日目,宿到着時に小さな足まめができていた。これは宿のご主人が丁寧に治療法を教えてくれて数日で治った。この予防対策で10日間程度続けて以降は指セパレーターのみを装着するだけで他の手当は全て止めて遍路を続けたが足まめは一切できることはなかった。雨対策はYさんのアドバイス通りポンチョで対応することとした。後の準備品は教本に出ているものの中から最低必要になりそうな物を厳選した。ザックの重量は頭陀袋に入れるものも含
て最大10kg以下とすることに努めた。着衣はポロシャツ,半ズボン,パンツ,靴下を2枚ずつのみとし毎日交互に着用した。遍路品グッズは全て1番寺の霊山寺で揃え万全を期した。現金は10万円程度を持ち歩き不足しそうになると送金して貰うことで問題はなかった。(次号に続く。)