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本物語

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第81号 2025.3.31

俳句とともに

菅原 薫

 中学2年の時,村の青年会で俳句会があり,姉について行きました。
   初霜の 紅葉落として 融けにけり
 講師評は「きれいな句だが,季重なりだよ」でした。ならばと,中の句を「病(わく)葉(らば)落とし」と替えてみたのですが,「病葉」は夏の季語でした。
 高校の文芸部では2度ほど句会があり,部誌に次の句が載りました。
   夕映えの 流るる川に 釣るやまべ
 後年,当時のノートの端々に楽書きを「発見」しました。
   菜の花の 細道続く 山は暮れ
   病む窓に 枯れたる菊の しじまかな
   暁天に 柿の実二つ 凍てつきぬ
 その後は俳句会にも結社にも参加せず,独学で細々と句作を続けてきましたが,社会に出てからは,仕事上の年賀状に,新年の干支を詠み込んだ,手書きの句を添えることにしました。
   眠れずに とぐろを巻いて 被災の巳(身)  香風
 若かりし頃は,私も,芭蕉風の重厚な句にあこがれておりましたが,年を取るにつれて,蕪村風の軽い,平明な句を好むようになりました。
(芭蕉も,晩年には「軽み」を主張しておりましたね。 ) ところが,蕪村は「うそのまこと」の効用を説き,難解な,幻想的な句も多いのです。私も,「うそのまこと」を追究しようと考えました。
   仰向けに 寝て猫銀河の 夢を見る  香風
 私の作句は頭の体操やボケ防止法なので,実景や体験でなくて可,空想上の句で可,虚実ないまぜで可,言葉遊びで可。季重なりも,句の印象が2分されなければ可です。が,ユーモアのある句を作りたい。
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