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本物語

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第82号 2025.8.31

〔俳句を遊ぶ 2〕 俳句をひねる

管原 薫

 毎日新聞に「季語刻々」というコラムがあり,毎日,有名無名の俳句を一句ずつ,坪内稔(ねん)典(てん)氏が紹介しています。いつの頃からか,私は,その季語を用いて俳句をひねるのが日課になりました。私の句作りは頭の体操であり,ボケ防止のための一法なので,芸術性は無視です。
 有名俳人の句集を見ますと,良句は百句中数句にすぎません。平凡な句や難解な句や意味不明の句が多いのです。ならば,素人は,百句作っ
て,自分が納得できる句が一句あればよいと思います。そう考えれば,気軽に俳句をひねることができます。
 さて,「季語刻々」(2024.7.14)で紹介されている句は,   
   追ひ払ふ 蠅(はへ)の団扇(うちは)に あたる音  澤 好摩
 「蠅」も「団扇」も夏の季語ですが,今回は「団扇」を取り上げます。
この句のような体験はないので,蠅を追い払うことに関連する言葉や情景を思い浮かべてみます。そして,言葉遊びをし,その結果,5・7・
5となり,ひとつの情景が描ければ,私は自己満足できるのです。
   絵うちはの 小町で蠅を 追ひ払ひ  香風
 うるさい蠅と絶世の美女との取り合わせで,俳句らしくなりました。
絵うちはの 義経破けて 捨てられし  香風
破けたうちわには英雄の絵を対比させたいと思い,だれを選ぶか迷い
ました。義経を次のように替えたら,句全体が現代風になりました。
   絵うちはの きむたく破けて 捨てられし  香風
   うちは手に ぢいぢと孫の 賭け将棋  香風
 賭け将棋は御法度ですが,じいじと孫ならほほえましい。じいじが手ほどきをしてやった孫が実力をつけ,今では互角に勝負ができるのです。
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