コンテンツへスキップ

本物語

一覧へ戻る

第83号 2025.11.30

“好き”は“一生懸命”のもと

三九出版

□のっけから私事で恐縮ですが,この十月に八十五歳になりました。人並に?足腰が弱りましたが日常生活に支障は無く,三九出版の仕事も若い頃(と言いましても六十代の頃ですが)とそれほど変わらずに熟(こな)しております。が,この歳になりますと(もっと前からでもありますが),「トシなんだから,仕事をやめて好きな事をやったら」と言われるのが普通なんですね。
□確かに,定年(・・)退職(・・)後,さらに後期高齢者ともなりますと,それまではあまりやらなかった盆栽とか旅行,読書,カラオケ等々,好きな事をして過ごしておられる方が殆どだと思われます。
・小誌のこの号と前号に「八十代半ば夫婦のドイツ紀行」を寄稿いただいた佐藤辰夫さんは海外旅行の他に茶道,フルート演奏,マラソンにゴルフ等をなさっておられるそうです(「すばらしき高齢時代~」小社発行)。病院の理事長という激務の他にですヨ。こんなに沢山のこと,やはり,好きだからこそできるのでしょうネ,八十五歳で。
□さて私はと言いますと,旅行はおろか散歩すらやっておりませんし,趣味らしきものも無いのです。これをやっていますと言えるものは,唯一,自費出版のお仕事を戴ければその本作りだけで。でもこれが,脱字誤字に気を配りながら,「なる程!」「えっ,そう?」「ここはこう書き替えたら?」などと思い考えつつ原稿を読み,著者と話し合って完全原稿にする,そして,読みやすく見やすい書体・大きさの文字や行間の幅,レイアウトということも著者と話をして決め,それに従って指定をして製版・印刷・製本を依頼,最後に製版されたものを校正。私はこの一連の作業が楽しく,好きなんです。
 「好きこそものの上手なれ」,「下手の横好き」,私はそのどちら? は別にして,本作りの仕事を始めると時間が経つのを忘れ,つい一生懸命になってしまいます。誰でもそうでしょうけれども,好き(・・)は一生懸命(・・・・)を生み出す,なのですね。……一生懸命作らせてください,私に,あなたの本を。   (m)
一覧へ戻る