本物語
第85号 2026.7.25
英 語 の R と L
早坂 慶洋
神奈川県横浜市
中学1年の4月,英語の先生からthに加えRとLの発音の仕方,その違いについて教わっているのに,それから20年経ってもこれが出来ない日本人の何と多いことか,今回はその話を。
香港の中華料理店で同席していた部下のK君がボーイにたばこを頼んだ時,「マルボロを」と言った。暫く経っても来ないので催促したら,麻婆豆腐を急いでもってきた。K君は何のことか理解できないようであった。しかし,脇で聞いていた私の記憶ではMarlboroのLは発音されていなかったと思う。中華料理店でマーボーを,と云えば麻婆豆腐をもって来られてもやむを得ない。ニューヨークの日本の商社マンの話では,日本人はMarlboroの発音が苦手のため,ケネディ空港の売店で日本人が買うたばこの一番の売れ筋はKentである由。また,アメリカにいて日本人が車のChevroletを正しく発音している様子を見たことがない。cheもvroもletもなっていない。皆shiborehである。またElizabethもlの代わりにr,thの代わりにs,relaxも然り。リラックスしていたらLiraxなんていう発音になってしまう。注意して発音しないとrelaxにならない。選挙の日のエレクション(Election)なども要注意。
50年前に初めてNew Yorkの地を踏み,知人のオフィスを訪れたとき壁に貼ってある一枚物のカレンダーを見て驚いた。土日は大体日本と同じであるが,その他点々と日本の5~6倍以上の祝祭日が赤丸となっていてその下に○○の日という小さな注記がある。資本主義のメッカであるアメリカでこんなに休みがあるのか? 君たちは何時働いているのだ,と聞いてみた。彼の説明によるとイースター,リンカーンの誕生日,ワシントンの誕生日,母の日,ヴァレンタイン・デー,ハローウイン,メ―・デー,サンクスギビング,クリスマスなどなど,国定のホリデーのほか,公定のパブリック・ホリデー,各州法の休日,国民の記念日などいろいろ。多宗教,多民族のお国柄なので祝祭日が重なり合っている。日本人が全て休めるわけではない,とのことであった。
そして,アメリカには上に一寸触れた「選挙の日(Election Day)」がある。この日は町も市も州も必要な選挙を一年に一度まとめてやる。休日になっていない多くの州では勤務先に遅れることは公認されている。その日は皆仕事は余りやらない。この日はみんなrelaxしており,日本の会社の出先に出入りしているアメリカ人たちは雑談に興じ,日米の違いを話題にしたりする。
「日本ではエレクションの時は何処に行きますか」というような質問をする。「うん,東京では近くの幼稚園だったかな」。ここでアメリカ人は「日本じゃ幼稚園に行くんだってサー」と一同どっと囃す。質問のエレクションはelectionではなく,erectionであった。初めて来た日本人はこのトリックに引っかかる。RLの区別に弱い日本人にからかい半分罠をしかけてかかると喜ぶという程度の低いアメリカ人がいる。連中は日本人がRLの区別ができないのを良く知っている。まぁ,笑いものにされる日本人にも弱みがあるが. . .この前TVを見ていたらうら若き女性アナウンサーが「今日はアメリカではエレクション・デーで. . .」と語っていたが明らかにerectionと発音していた。ほう,そうですか,今日は全米のオノコが一斉にErect ! する 日らしい。
ニューヨーク駐在時代,東京からお客さんが来たのでアメリカ人の同僚と一緒に車に乗って五番街近くのとある超有名ホテルの前を通りかかった。そのとき同僚がここのフレッシュ・マーケットは有名ですよ,と言った。東京から来たお客さんは流石ニューヨーク,こんな超有名ホテルの中にも生鮮市場があるんですか,と何を思ったか感心することしきりであった。しかし英語の発音はfresh(新鮮)ではなく,flesh(肉体)。つまり,ホテルのロビーではポン引きがうようよ客引きをしているという意味であった。
これもニューヨーク駐在時代に聞いた話であるが,N證券會社の偉いさんがニューヨークに来た折,パーティーで金融界の大物招待客を前にエルビス・プレスリーのラブミー・テンダーを歌った。日本人の悲しいところでLove me tenderをRub me tenderとしか歌えない。LoveもRubも他動詞で同じでもRubの方が少々具体的に過ぎた。「わたしのナニ(?)を優しくこすって頂戴」という意味になったらしい。そこで心当たりのあるその場の紳士諸君を大いに喜ばせたとのことであった。
時々何かのついでにNHK TVで数年前日本のK元首相もワシントンでBush(当時の)大統領やFirst Lady,並み居るご婦人たちの前で「ラブミ―テンダー!」と歌っているのを見る。皆何故か爆笑。来客の皆さんはあれを聞いてどう思ったのだろうか。RとLを区別しない日本人にとっては気を抜くときわどい誤解を招きかねない。されば,おのおの方,ゆめゆめご油断なく!
香港の中華料理店で同席していた部下のK君がボーイにたばこを頼んだ時,「マルボロを」と言った。暫く経っても来ないので催促したら,麻婆豆腐を急いでもってきた。K君は何のことか理解できないようであった。しかし,脇で聞いていた私の記憶ではMarlboroのLは発音されていなかったと思う。中華料理店でマーボーを,と云えば麻婆豆腐をもって来られてもやむを得ない。ニューヨークの日本の商社マンの話では,日本人はMarlboroの発音が苦手のため,ケネディ空港の売店で日本人が買うたばこの一番の売れ筋はKentである由。また,アメリカにいて日本人が車のChevroletを正しく発音している様子を見たことがない。cheもvroもletもなっていない。皆shiborehである。またElizabethもlの代わりにr,thの代わりにs,relaxも然り。リラックスしていたらLiraxなんていう発音になってしまう。注意して発音しないとrelaxにならない。選挙の日のエレクション(Election)なども要注意。
50年前に初めてNew Yorkの地を踏み,知人のオフィスを訪れたとき壁に貼ってある一枚物のカレンダーを見て驚いた。土日は大体日本と同じであるが,その他点々と日本の5~6倍以上の祝祭日が赤丸となっていてその下に○○の日という小さな注記がある。資本主義のメッカであるアメリカでこんなに休みがあるのか? 君たちは何時働いているのだ,と聞いてみた。彼の説明によるとイースター,リンカーンの誕生日,ワシントンの誕生日,母の日,ヴァレンタイン・デー,ハローウイン,メ―・デー,サンクスギビング,クリスマスなどなど,国定のホリデーのほか,公定のパブリック・ホリデー,各州法の休日,国民の記念日などいろいろ。多宗教,多民族のお国柄なので祝祭日が重なり合っている。日本人が全て休めるわけではない,とのことであった。
そして,アメリカには上に一寸触れた「選挙の日(Election Day)」がある。この日は町も市も州も必要な選挙を一年に一度まとめてやる。休日になっていない多くの州では勤務先に遅れることは公認されている。その日は皆仕事は余りやらない。この日はみんなrelaxしており,日本の会社の出先に出入りしているアメリカ人たちは雑談に興じ,日米の違いを話題にしたりする。
「日本ではエレクションの時は何処に行きますか」というような質問をする。「うん,東京では近くの幼稚園だったかな」。ここでアメリカ人は「日本じゃ幼稚園に行くんだってサー」と一同どっと囃す。質問のエレクションはelectionではなく,erectionであった。初めて来た日本人はこのトリックに引っかかる。RLの区別に弱い日本人にからかい半分罠をしかけてかかると喜ぶという程度の低いアメリカ人がいる。連中は日本人がRLの区別ができないのを良く知っている。まぁ,笑いものにされる日本人にも弱みがあるが. . .この前TVを見ていたらうら若き女性アナウンサーが「今日はアメリカではエレクション・デーで. . .」と語っていたが明らかにerectionと発音していた。ほう,そうですか,今日は全米のオノコが一斉にErect ! する 日らしい。
ニューヨーク駐在時代,東京からお客さんが来たのでアメリカ人の同僚と一緒に車に乗って五番街近くのとある超有名ホテルの前を通りかかった。そのとき同僚がここのフレッシュ・マーケットは有名ですよ,と言った。東京から来たお客さんは流石ニューヨーク,こんな超有名ホテルの中にも生鮮市場があるんですか,と何を思ったか感心することしきりであった。しかし英語の発音はfresh(新鮮)ではなく,flesh(肉体)。つまり,ホテルのロビーではポン引きがうようよ客引きをしているという意味であった。
これもニューヨーク駐在時代に聞いた話であるが,N證券會社の偉いさんがニューヨークに来た折,パーティーで金融界の大物招待客を前にエルビス・プレスリーのラブミー・テンダーを歌った。日本人の悲しいところでLove me tenderをRub me tenderとしか歌えない。LoveもRubも他動詞で同じでもRubの方が少々具体的に過ぎた。「わたしのナニ(?)を優しくこすって頂戴」という意味になったらしい。そこで心当たりのあるその場の紳士諸君を大いに喜ばせたとのことであった。
時々何かのついでにNHK TVで数年前日本のK元首相もワシントンでBush(当時の)大統領やFirst Lady,並み居るご婦人たちの前で「ラブミ―テンダー!」と歌っているのを見る。皆何故か爆笑。来客の皆さんはあれを聞いてどう思ったのだろうか。RとLを区別しない日本人にとっては気を抜くときわどい誤解を招きかねない。されば,おのおの方,ゆめゆめご油断なく!