有限会社 三九出版 - 後世に残す本を・・・


















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                     後世に残す本を・・・
                               三九出版拝

 ♪ 雨雨降れ降れ 母さんが〜♪
❁ さてさて梅雨とともにカビの季節がやって参りました。我が家の書棚の裏にも白いのやら黒いのやらそれはもう大盛況なのであります。
“こりゃあ,ちっと虫干しでもした方がよろしいんじゃなかろうか?”
◆ 昔々,まだ本が和紙でできていた頃,本が,貴重品,高級品,贅沢品であった頃,湿気,カビは本の大敵であり,梅雨の合間や梅雨後の晴れ間に,書物を紐解いて一枚一枚干したそうです。これは日本だけではなく,お隣の中国でも行われていたようですが,西洋で書の虫干しが行われていたという話は聞いたことがないので,湿気の多い東アジア的文化なのかもしれません。
○現在、貴重な古書を保存しておられる方は別として,梅雨の合間に本の虫干しをするという方は,一般には稀でしょう。それは,紙質,印刷技術などの向上によるカビ被害の減少といった理由もありますが,要はそれほどの手間をかけてまで保存するに値する本が少なくなったということではないでしょうか。
◇大量生産,大量廃棄の時代においては本も全く例外ではなく,読み捨て,使い捨ての本が大量に流通しては処分されているのが現状です。知識の流通拡大という意味では悪いことばかりではありませんが。
 しかし,いずれこれらの使い捨て本はデジタルに姿を変えて消滅し,手間暇を掛けても保存するに値する本だけが,「本」として残っていくのではないでしょうか。
 ま,デジタル本なら大量廃棄せずに済むから,ゴミ削減にも役立ちますもんね。
❁“さあて,どの本から虫干ししようかな”
 しかし,流行のライフスタイルに完全に流されているぼんくらの書棚に,そんな価値ある本なんぞあろうはずもなく,いらなくなった使い捨て本をせっせとブックオフへ運ぶのでありました。
♪ ぴっちぴっちちゃっぷちゃっぷ らんらんらん ♪          (G)         
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