有限会社 三九出版 - 本物の政治を!~ 一小市民の声


















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〔後生に告ぐ!〕
               本物の政治を!~ 一小市民の声

                     鈴木 良弘(千葉県柏市)

 安保関連法案が混乱の末,参院を通った。4か月に亘る審議で,少しでも議論が深まったことがあったか? 引き延ばしのための3時間演説, 議事妨害, 委員会の乱闘,問責決議の連発……見るに堪えない,聞くに堪えない姿。かねて良識の府と称する人々のあさましい実態が,昼となく夜となくテレビ放映された。野党も野党なら与党も与党と,全く腹立たしかった。 “この連中がそっくりいなくなっても日本の社会には何の支障もあるまい”との思いが沸々と湧き上がった。むしろ彼らの存在こそこの国のガンであろう。
 第189回通常国会は戦後最長の95日を延長の上,9月27日に閉幕したが,法案成立率は,延長しなかった前国会の97.2%を大きく下回り88%に終わった。会期延長には1日あたり2億円の試算もあり,これだけで200億円の経費増となる。折角時間と税金を掛けて延長しておきながら,その果てが審議拒否,強行採決の終焉では,いかなお人好しの観客でもブーイングが起きるのは当然だ。
 国会の外も騒がしかった。8月30日,12万人のデモだとTVニュースで,新聞で姦しかった。(実はその日,警察庁推定3万3千人 ― なぜこんな出鱈目な数字が今時まかり通るのだろう!) 「平和運動市民の会」,「学者の会」,大学生の「シールズ」,子育て「ママの会」。大学教授が,著名文化人が,子供を連れた母親たちが雨の中で叫んでいた。50数年前の安保闘争の時,私は学生だった。勿論,安保断固反対! 法案など全く読まなかった。みんなが反対だと言っているから,私も反対だった。今にも戦争に巻き込まれるとの言葉はいかにも切迫感があった。しかし,成立した結果は自分の目で確かめられた。この国は戦争国家にはならず,徴兵制の道も歩んでいない。あの圧倒的情熱は何だったんだろう。
 今回の安保関連法案の結果を見極める時間は,もはや私には残されていない。ただ何となく今回も前回同様,大声で騒ぐ大衆デモではなく,冷静な頭で国際情勢を判断して,断固必要と立案された法律が正しかったと証明される日が来るのではないかと私は考えている。
 2020年東京オリンピック,新国立競技場当初予算の倍の2,520億円を組織委員会自身では中止にできなかった。国会活動同様,金銭には無頓着の人が責任者だった。エンブレムも白紙撤回。ここにも森会長の大きな関与がささやかれているようだが,ご本人は知らん顔をしている。何と彼は会長職を無報酬で引き受けているから誰も文句を言えないのだそうだ。そんなのって有りか? 責任者が責任を取らない組織はきっとまた何かをしでかすに違いない。かつて一時代画した有力政治家の問題行動は森さんだけではない。国益に関係なく問題発言を重ね,韓国に行き墓前で土下座までして見せた鳩山さん。近隣諸国からのエンドレスな謝罪要求,この迷路に追い込んだのは実は村山談話にこそ基因するのではないか? 朝日新聞さえ誤りを認めた慰安婦問題を未だに強弁して恥じない河野洋平さん。大使館前に,また米国各地に慰安婦像を建てられ,日本人を不当に貶められても何の苦痛も感じない人。その彼に桐花大綬章という最高栄誉で報いているこの国は何か間違っていないか。
 こうした議員先生方へ国民はどれほど肩入れし期待をかけてきたか,皆さんご存じなのだろうか。因みに,2013年資料による国会議員の報酬国際比較は次の通りである。
 日本:約2,106万円(実質4,200万円) 米:約1,357万円  英:約802万円
 独:約947万円  仏:約877万円
 その上,政党交付金320億円の支給もある(独:174億円,仏:98億円,英2億9千2百万円)。そもそも政党交付金は企業団体献金が構造汚職の原因であるから企業献金をしない代わりに国民1人当たり250円相当を議員活動に提供するものであった。(したがって共産党だけは感心にも未だに交付金は受け取っていない)政党交付金は国民の思想信条の自由を侵害するとの憲法学者の指摘もある。しかし,自民も民主も企業献金を復活させたうえ,政党助成金返納の積極的動きは見られない。議員年金の特典,都心の高級議員宿舎の格安提供……。
 これ以上述べる必要はないだろう。「国会」あるいは「国会議員」と呼ぶにふさわしいものにするための制度改革は喫緊のことである。定数削減,参院廃止,元首相の議員資格返上,一票の格差是正……スローガンを高々掲げて,今こそ心ある同志に呼びかけて大規模なデモで訴えたい。
 日々止まない悲惨な海外ニュースに接するにつけ,平和,安全,豊かな自然の我が祖国日本に生まれてよかったと思う齢75の小市民の一人ではあるが,この日本を後世まで維持するために,とりわけ“後生”の人々に意識の大改革を願うものである。



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