有限会社 三九出版 - ☆特別企画☆東日本大震災  日本人の心の再生を


















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                    日本人の心の再生を
                          木村 清生(山口県周南市)  

 大震災から1年,進まぬ復興に歯がゆい思いです。被災地,被災者,多数の行方不明者などの現状を見聞きするにつけ,お気の毒で涙するばかりです。被災地から遠く離れた地にいてさしたる支援もできず申し訳ないと思いながら,平凡な暮らしのありがたさをしみじみと感じた一年でもありました。
 さて,これまでに感じたこと,その一つは原発のあり方です。今回の災害は地震,津波という自然災害に原発事故が重なったことでした。原発事故が災害の拡大に輪をかけ,かつ復興の足枷となっていることは明白です。原発事故の処理は次世代以降にまでツケを残します(核廃棄物の管理にいたっては数万年以上を要するとか)。例えば除染一つを取ってみても,学校や住宅などの除染後の廃棄物処理にさえ困っています。更に除染を農地,原野,山林について行うとなれば,広域でしかも凹凸地という気の遠くなるような悪条件です。果たして可能なのでしょうか。この災害を契機に「物と金の経済的な豊かさを追求する世の中」から「これまでとは異なる真っ当な世の中」に変えるべきではないか,生活程度を落としてでもより安全,安心なエネルギーへ転換すべきではないかと思います。それにしても東電の不手際の連続に国民は呆れ果てています。原発の新設,再稼動は慎重の上にも慎重を期していただきたいものです。
 二つ目は,日本人が日本人たる心をなくし利己主義に陥っていないかという危惧です。一年前の被災者の秩序ある行動と忍耐強さは,日本国民のみならず世界の人々からも賛嘆の声が上がりました。ところが,被災地の瓦礫処理の受入れとなると反対の声が高く,被災地の痛みを自分たちも分かち合おうという「絆」の掛声は雲散霧消したかのようです。被災地の皆さんを大いに落胆させたに違いありません。
 些少の寄付くらいしかできない私ですが,これからも大震災のことを忘れず,被災地,被災者に思いをいたし,風評にとらわれることなく被災地の特産品の購入などに協力していきたいと思います。
 なお,私の周辺の声として,生き残った人たちの心のケアー(孤独死の防止)が大切,与野党一丸となって復興に邁進すべし,防災意識を高め防災対策に努める(小中学校の耐震化率,当県はワースト2),等の意見が聞かれます。私も全く同感です。早期復興を願いつつ,今後の進捗状況を見守っていきたいと思っています。
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