有限会社 三九出版 - ☆特別企画☆  東日本大震災


















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                     未だ終らない震災
                            阪本 衛(大阪府大阪市)

 阪神・淡路大震災から17年。巨大地震と大津波で死者15854人行方不明者3155人もの方が犠牲になった東日本大震災から1年。この3月11日,鎮魂の祈りは被災地から全国各地に広がった。追悼式での,津波で両親と子ども2人を失った奥田江利子さん(宮城県石巻市)の遺族代表挨拶「涙を超えて強くなる」に,私は強く心を打たれ感涙した。また,1年経った今,現地からの声として,「仕事も始めているが,心が宙に浮いたようで,ふわふわした感じ。悪い夢なんじゃないかと思うこともある。でも被災した現場を見ると,やっぱり現実なんだと確認して,おかしくなりそう。」(南相馬市)とも聞く。うず高く積み上げられた瓦礫,広範囲に飛散した放射性物質は今も生々しい爪痕をさらしている。この〈終らない被害〉に,震災は現在も進行形だとの認識を強く抱いている。
私にとってのこの1年は,大震災と重なり特別な感慨を抱く年であった。大阪にいる私達が「何が出来るか!」を考え,東京在住の東北出身の友人に相談したところ,宮城県南三陸町町長との接点を持つことが出来た。「救援物資が現地に届かない」との声に,私は職場から募金に加えて支援米・5kg入りを300袋,1袋ごとに職員の手書きの応援メッセージを添えて,トラック便で送らせていただいた。些細なことかもしれないが,職員一人ひとりの気持ちが被災地に届くことを願って……。南三陸町佐藤町長からご丁寧なお礼の電話と手紙を頂戴した。
また,私にとって世の中のことが何故かよく見えた1年でもあった。〈悲しみ・悔しさ・無念・絶望〉の坩堝に放り込まれた人々を前にしての,政治・経済・司法,学者・評論家・メディア界のぶざまな姿には憤りすら覚える。菅・野田両政権の閣僚や党幹部の言葉が信用できなかったこと,軽くて深い洞察力に欠けた言葉を聞いていて,これほど悲しい思いをすることはない。1923年の関東大震災(死者・行方不明者10万人)の際,時の内務大臣後藤新平は「国債と減税」により復興を果したと言われている。その復興予算として40億円(現在の金額にすると250兆円)を震災翌日に計上している。特に危機や変革期において優れたリーダーを持つことが出来なければ国は滅びていくしかないのが歴史の法則である。先人が歩んだ歴史を学び,〈復興から再生へ〉の道筋を早急に示されることを期待してやまない。
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